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うちのパートのおばさんが・・・。2

先日、私が勤めている会社に新しくパートのおばさんが入った。

彼女・・・いやおばさんは私が思うにかなりのポンコツ人間だ。

働いて数日が経過したが、一度で仕事を覚えることができない。いや、3回説明しても覚えない。

私はそんなに厳しいタイプの人間でもないので、一度で覚えられなくても仕方ないと思っている。だから、怒ったりもしない。

自分の常識を相手に押し付けてはいけないという父の教えから、私は私なりに丁寧に教えているつもりなのだ。

しかしどうだろう。

会社に置いてあるバリスタコーヒーの機械が未だに扱えないのである。

 

時は遡りおばさんが入社して3日目のことだ・・・

 

私「たまに会社にお客さんが来ることがあります。その際は、お客さんにコーヒーをだしてあげてください。」

 

私はおばさんに、バリスターコーヒーの使い方、砂糖やミルクの保管場所、持って行くときに気をつけることなどを説明した。

バリスタってこれね。

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おばさんはノートに必死に教えられたことをメモって「わかりました。」と言った。

私は心配性なので、「ホントに大丈夫ですか?もう一回念のため説明しますね」と言いその場で2回同じ説明をした。

 

入社3日目で「こいつはポンコツだ」と確信していた私は、おばさんにいきなりチャレンジさせようとは思わない。 

お客さんの頭にコーヒーをかけてしまい、ゴルバチョフみたいになってしまうのを防ぐ為だ。

ちなみにゴルバチョフってのはこの人

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よく小さい頃テレビに彼が出ていたときは「ママーあの人頭になんかこぼしてるよー!」なんて言ってたもんだ。母は爆笑していたのを覚えている。今となってはそんなお偉いさんだったとは・・・

 

 

話を戻そう。

 

他の女性社員に一度お願いをし、見本を見せてもらうことにした。

 

 

1人目のお客様が来社。

クライアントのお偉いさんらしい。32歳の女性社員がすぐにコーヒーを出す準備に入る。

しかし、おばさんは目の前のPCから目が離せないでいる。

 

「おばさん!ほら!今〇〇さんがコーヒー持って行きますから見ていてください!!」

 

「あっ!は、はい!!・・・あれメモ帳がっ!!」

 

「メモは後でいいからまずは見てください」

 

女性社員は笑顔でお客様にコーヒーをお出しする。

お客様も笑顔でお礼を言っている。

うん。完璧だ。

あの人に頼んでよかったと思った。

おばさんもすげーといった顔でその光景を見ていた。

 

「どうでしたか?〇〇さんは完璧でしたね。あそこまでいきなりは難しいと思いますけど、笑顔で出してあげて下さいね。」

 

「はい!!」

 

私はこのおばさんホントに自分より約2倍近く生きている人間なのだろうかと思ったが、表情には出さず自分の仕事に取り掛かる。おばさんもまたPCに向き直り仕事を再開する。

ちなみにおばさんには簡単なデータ入力をしてもらっている。

通常30分で終わる業務だが、おばさんは2時間かかる。

もちろんそれだけ時間がかかることは想定しているため、支障が起きない程度の仕事しか与えない。帰るの遅くなるの嫌だからね。

 

 

2人目のお客様が来社された。

どうやら、営業マンのようだ。上司に商品の売り込みをしにきたらしい。

獅子の子落としという言葉があるように、私も一人前にさせる為におばさんに試練を与える。

 

「お客さんが来たので、先ほど教えたようにコーヒーを出してみてください」

 

「う・・・はい。がんばります。」

 

おばさんはそそくさとバリスタコーヒーの場所へと向かう。もちろんメモ帳を握りしめてだ。

コーヒーの入れ方は2回教えたし、メモ帳も持っている。

コーヒーをお客さんの前にだす時が心配だ。

とりあえず、コーヒーを入れているときの変な轟音が収まったときに注意してみようと私は考えていた。

しかし、私の考えは浅はかだった。

この後に起きることに社内が騒然とした。

 

 

5個あるうちのボタンを一つ押して、最後に真ん中のボタンを押せばコーヒーが注がれる。簡単な作業だ。

おばさんには「このボタンを押した後に真ん中のボタンを押してください。他のボタンは押さなくていいので。この右斜め上のボタンしか使わないですからね。」

念を押して説明した。

 

社内にコーヒーを注ぐときの轟音が鳴り響く。

グオーン!!って音だ。

その音が聞こえて私はひとまず安心した。

 

 

 

しかしどうだろう。

バリスタコーヒーの近くに座っている男性社員が

 

 

「えぇぇーーー!!!え!?えーーー!!」

と叫んでいた。

 

 

 

社内の人間が一斉にバリスタコーヒーの方を見る。

全員の顔が驚きで隠せない顔になっていた。

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コーヒーがちゃんと注がれている。

うん。バリスタの底にね。

 

 

 

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「コップわぁぁぁぁぁぁあーーー!?!?!?!?!?」

 

おばさんは慌てふためいている。

コーヒーがバシャバシャと飛び散り、おばさんの服にコーヒーが飛び散っている。

たまに「熱い!!」とか聞こえてくる。

何人かが駆け寄る!!

しかし、一度注ぎ始めたコーヒーは注ぐのを止めない。

どのボタンを押しても止まらない!!

辺りは黒い池が出来てきている。

 

 

「主電源を落とせー!!」

 

 

後ろからその声が聞こえた瞬間に全員が主電源へと手を伸ばす。

みんなの手がぶつかる!!ここで日本人の悪い癖で譲り合いの精神が顕著に現れる。

私としてはここでジャンガジャンガをやりかたった。

譲り合いをし合う人ごみの中をくぐり抜け、主電源を押すことに成功する。

コーヒーが止まった。

バリスタも強制終了させられ、しょんぼりしているように見える。

私のYシャツにはコーヒーが飛び散っておりYシャツさんは激おこだ。

 

 

コーヒーが止まったところで駆けつけた人達が安堵の表情になる。

そして、指導係りである私に全員の視線が向けられる。

この視線はキツイ。

授業中にトイレに行き、帰ってきたときのみんなに視線を向けられる時並に心がえぐられる。『あいつきっとうんこだぜ』ってやつね。

 

 

 

みなさんに「すいません。」と謝罪をし、その日私の心はポッキリと折れた。

 

 

 

とりあえず、掃除をする為に給湯室に行き雑巾を持ってくる。

この時私はおばさんのことを忘れ、夢中になって掃除をしていた。

 

 

 

掃除が終わり、再度給湯室に向かう。

給湯室ではおばさんが慌てふためいてた。

 

 

「あ。もう掃除終わりましたよ。」

 

「す、す、すいませんでした!!」

 

「え、あー、いやいいんです。ふっふふふ。」

 

「すいません!!コップを置いてから押すって知らなかったんで。」

 

 

私の頭の上には「?」が2億個くらい浮かんできた。「?」に押し潰されそうだ。

 

 

「え?あ、たしかに教えたときはコップを置きませんでしたけど。普通わかりませんか?コップなしでどやってコーヒー飲むんですか?」

 

 

私の頭の中では「自分の常識を人に押し付けてはいけない」と父が忠告してきたが、ぶんぶんと頭を振って父を消しさる。

 

 

「いや、あの、コップとかでてくるんだと思って」

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

「キサマぁぁー!!なんだその言い訳わぁぁ!!下からウイーンって出てくるとでも思ったか!!ウィーンて!!エヴァが出動する時みたいに!?ウィーンって!?アホかぁ!!恥を知れぇぇ!!このピーでピーがぁぁ!」

と言いたかったが、なんとか抑えることができた。どうか褒めて欲しい。

 

 

「あはっ。はははは。そーでしたか。面白い発想ですね。さすがにそこまで機械も進歩していませんよ。あはははー。いやー私がちゃんと説明しなかったのが悪いので。次からは気をつけてくださいね。」

 

「ホントにすいませんでした!!」

 

 

 

もう怒る気にもなれない。

その後、おばさんではなく他の女性社員がコーヒーをだしてくれていたみたいだ。

お客様が帰り、おばさんと一緒に応接室のコーヒーを片付けに向かう。

トレイに空になったコーヒーカップふたつを並べ、おばさんが給湯室へと向かう。

給湯室に向かう途中でトレイを落とす。

コーヒーカップが割れる。

 

 

 

「あっあああ。あわわわわ。すいません!!」

 

 

 

もう嫌だ。

 

 

 

私とおばさんの日常はこれからも続いていく・・・

 

おわり